楽天・岸 40代星!日本選手先発では球団史上初 家族も観戦「かっこいい父親の姿を子ども達に見せられてよかった」
「楽天4-1西武」(3日、楽天モバイルパーク)
淡々と、それでも全力で楽天・岸孝之投手は西武打線と対峙(たいじ)していった。気温5度、雨が降りしきる中でのホーム開幕戦。「ケガしたらしょうがない。入念な準備があっての全力で投げていました」。2度の雨天中止で巡ってきたホーム開幕戦マウンド。決してふがいない投球はできなかった。
序盤から直球で押し、ストライク先行で攻めて、攻めた。四回2死一塁で渡部聖の右中間適時三塁打で先制されたが、「ズルズル2点目はあげないように」と気持ちを切り替える。力んだ初回から少しずつ修正し、7回3安打1失点無四球でまとめ、始まりの今季1勝だ。
新人から19年連続での勝利を挙げ、球団史にも名を刻んだ。昨年12月に迎えた不惑。日本選手の先発として40代での白星は球団史上初の快挙となった。岸家にとって特別な1勝にもなった。「家族が来ているところで勝てたのがでかい」と登板後に明かし、「かっこいい父親の姿を子ども達に見せられてよかった」と表情を緩める。
ユニホームを脱げば、野球に励む息子2人のお父さん。「言うことを聞かないからしょっちゅう怒る」と笑いながらも、かつてもらった肩たたき券は宝物だ。「ずっと持っている。『まだあるからな』って言って、ずっと使っていないね」。マウンドで“圧投”した91球に、仲間も応えた今季初勝利。戦場で役目を果たし、ようやく父の顔になった。
◆岸が40代で先発初勝利 昨年12月に40歳になった楽天の岸が、40代での先発初勝利をマーク。15年のレイに次いで球団2人目、日本選手では40代で球団初の先発勝利投手となった。ちなみに救援では斎藤隆、久保裕也が40代で勝利投手になっている。また、プロ1年目の2007年から19年連続勝利も記録した。プロ1年目からの連続年勝利の最長記録は、石川雅規(ヤクルト)が02年から23年連続で継続中。



