横浜・村田監督 原点は公立校での指導経験 OBの支援に感謝「本当に横浜の絆を感じました」

 「選抜高校野球・決勝、横浜11-4智弁和歌山」(30日、甲子園球場)

 決勝が行われ、横浜(神奈川)が2006年以来、19年ぶり4度目の優勝を果たした。昨秋の明治神宮大会Vから、松坂世代の98年以来となる“秋春連覇”。史上初の快挙となる2度目の達成を、公式戦20連勝で決めた。

 涙はなかった。横浜・村田浩明監督(38)は真っ先に感謝の言葉を口にした。

 「たくさんのOBが支えてくれました。本当に横浜の絆を感じました」

 昨夏の神奈川大会決勝での敗戦が、横浜を変えた。「それまでは『継承しよう、継承しよう』って、自分の色が全く出てなくて」。伝統ある名門校。采配や起用を疑問視する声も届いたが「その時に吹っ切れて」。元監督の渡辺元智氏(80)にも「もう変えます」と伝え、背中を押された。

 変革の原点は公立校にある。「当時、県立高校が60年以上も甲子園に行ってないと知って、大きいことをしたいなと」。そんな思いから日体大を卒業後、県立校で部長を4年間務め、監督として県立の白山へ就任した。

 だが、集まった部員は4人。保健体育のソフトボールの授業で“スカウト”するところから始まった。横浜OBから道具などの援助を受けながら、生徒とともに白球を負う日々。18年には初の県8強入りを果たすなど、着実に力をつけた。

 その経験から「全員野球」が信条だ。「レギュラー陣だけとか、エースは1枚だけとかではない。公立校では全員、投入した」。選手それぞれの個性を理解し、生かすための野球を考えた。

 母校再建を託され、現役時代もたどり着けなかった頂点に立った。それでも「まだまだ」と指揮官。名門復活は、夏の聖地で示すつもりだ。

 ◇村田 浩明(むらた・ひろあき)1986年7月17日生まれ。神奈川県出身。横浜では中日・涌井とバッテリーを組み03年センバツ準優勝。04年は主将として夏の甲子園ベスト8進出。日体大を卒業後、霧が丘で野球部部長を4年、白山で監督を7年間務めた。20年に横浜の監督に就任。保健体育教諭。

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