楽天・三木監督 12年ぶり東北歓喜へ決意 3・11に試合「正直特別な思い」「自覚持ってやっていく」
東日本大震災が発生してから11日で14年を迎える。楽天・三木肇監督(47)が10日、静岡市の草薙硬式野球場で11日のヤクルトとのオープン戦(静岡)を前に、野球の底力を東北に届ける覚悟を語った。「東北で震災があった3月11日に試合をするのは、正直特別な思いもある。そういう思いを、東北のプロ野球チームとしてしっかり胸に刻んで戦いたい」。指揮官の胸中には、東北唯一のチームとしての使命が宿る。
2011年。当時、日本ハムの2軍内野守備走塁コーチだった三木監督は、2軍戦が行われていた神奈川県横須賀市の球場で揺れを感じた。沿岸部だったこともあり「津波が来るかもしれない」と避難した。大阪・上宮高2年だった1995年、阪神・淡路大震災で被災していた指揮官にとっても人ごとではなかった。「震災の怖さは実際に経験しているから」と天災に胸を痛めた。
19年に楽天の2軍監督として着任。昨季まで計5年間の2軍監督時代には、大津波の被害に遭った岩手県陸前高田市で試合が行われるなど、復興をより間近で見てきた経験もある。「何か届けられるようにと行くんですけど、逆にパワーをもらえた」と言い、少しずつ復興への歩みを進める様子に「『希望の街』に見える」と思いを込めた。
楽天は震災発生から2年後の13年に初めてパ・リーグを制し、日本一に輝いた。「13年のような感動は、星野監督を含めて、なかなかマネできないけど、僕たちも自覚を持ってやっていくことが大切かなと思う」。東北に12年ぶりの歓喜をもう一度-。まずは特別な白星をつかみたい。

