巨人・田中将大 復活へフォーム改造の狙いは?評論家の視点「これだけ投げられているのはいい証拠」「常時2、3キロ上げられるか」
プロ野球は2月1日からキャンプインし、巨人では新加入の田中将大投手(36)が注目を集めている。
キャンプ初日から久保康生巡回投手コーチの助言を受けながら、本格的にフォーム改造に着手。久保コーチは修正ポイントについて「ボールを前でさばく、たたく。自分の体の回転軸が右側に寄ろうとしてくるので、それを立て直して縦に使えるように」と明かした。
狙いはどこにあるのか。巨人OBで投手コーチも務めた関本四十四氏は「簡単に言えばリリースポイント、ボールを離すインパクトの瞬間に最大限の力を与えるための修正だな」と語り、「いいスピンを与えるために、右腕を上から振り下ろせるように調整している。腕が振れれば、変化球のキレも変わってくる」とした。
田中は楽天に所属した昨季、右肘のクリーニング手術の影響で登板はわずか1試合。その唯一の登板となった9月28日のオリックス戦では5回4失点で、最速147キロだった。
関本氏は復活のカギとして「常時2、3キロ上げられるか」と、直球を挙げている。現在のフォーム修正とリンクしていることに、「年齢による筋力の衰えだったり、肘を痛めたりすると、知らず知らずのうちにフィニッシュで左腰の収まりがきかずに開き気味になる。左サイドが開き気味になってくると、肘も下がってくる。そうなると本当に少しだけ押し出そうとする感覚になり、力みも加わってシュート回転になる」と解説する。
昨季の菅野も久保コーチの指導を受けて復活しているが、一昨年の終盤には球威が戻り、復調への手応えをつかんでいた。関本氏は「菅野は昨年のキャンプではコンディションも良さそうだった。そういった意味ではマー君もこれだけ投げられているのはコンディションがいい証拠。ネットスローであっても、あれだけの球数を投げるのはきついからね。本人も何とかものにしようという思いがあるんだろうけど、逆に、少し投げすぎじゃないかと心配になるくらい」と語った。
通算200勝まであと3勝。大記録達成への期待も大きい。関本氏は「一度ガクッと成績が落ちても、かつての鈴木啓示さんのようにもう一度立て直した選手もいる」と、300勝投手の名前を挙げた。
鈴木啓示氏は34歳のシーズンで5勝と不調だったが、翌年から3年連続2桁勝利と復活した。「ガクッと落ちたところで立て直し、30勝、40勝と上積みした投手は何人もいる。マー君もクレバーな投手だから、何とか復活してほしいよな」と期待した。