報徳6年ぶり夏切符 今朝丸が初完封締め!「ナンバーワンと言われる結果を」今度こそ聖地の頂点へ
「高校野球兵庫大会・決勝、報徳学園4-0明石商」(28日、ほっともっとフィールド神戸)
兵庫大会の決勝が神戸市のほっともっとフィールド神戸で行われた。センバツ準Vの報徳学園は明石商を4-0で下し、広島・小園を擁した2018年以来6年ぶり16度目となる、夏の甲子園への出場を決めた。今秋ドラフト上位候補で最速151キロ右腕・今朝丸裕喜投手(3年)が9回5安打無失点と大一番で公式戦初完封。真価を証明した。
報徳学園・今朝丸がマウンドで右拳を高々と突き上げた。念願の夏聖地への切符を獲得。歓喜の輪の中心で雄たけびを上げた。
「絶対に一人で投げ抜いてやろうと思いました」
ここぞの場面で超高校級の能力を解き放った。両軍無得点の三回。2安打を許し2死一、三塁のピンチを招く。打線が攻めあぐねていただけに、ここが試合のターニングポイントと判断。追い込みながら、最後は自己最速タイの151キロ直球を左打者の懐に突き刺し、見逃し三振に封じた。
五回以降は1安打しか許さず、9回5安打無失点で公式戦初完封を記録。「しんどいとかはなくて。勝手に九回までいっていた」。すさまじい集中力で、気付けば9つの0を並べていた。
2年連続センバツ準Vと聖地の経験は豊富。ただ、夏の兵庫が春の甲子園以上に厳しいことも知っていた。剛腕で名をとどろかせるがゆえ、相手校からも入念に研究される立場。「夏はもっとしんどくなる」。今春県大会は登板せず、キャッチボール前にランニングを取り入れるなどして体力強化。投球術にも磨きをかけ、相手の対策を封じるすべを身につけた。
圧巻の投球に7球団のスカウトもうなった。阪神は畑山統括スカウトら4人態勢で視察。熊野スカウトは「思い通りにボールを操れている」と賛辞を惜しまなかった。
「(世代)ナンバーワンと言われるような結果を出していきたい」と今朝丸。チームを戦国・兵庫の頂点に導いた実力は本物。春の忘れ物をつかみ取るべく、夏の聖地でさらなる覚醒を遂げる。
◆今朝丸 裕喜(けさまる・ゆうき)2006年6月2日生まれ、18歳。兵庫県神戸市出身。185センチ、79キロ。右投げ右打ち。投手。小学生時に横屋川井少年野球部で野球を始め、本庄中時代は関メディベースボール学院中等部に所属。報徳学園では1年秋からメンバー入り。昨春と今春のセンバツに出場。最速151キロ。