「ＤｅＮＡ１１－９阪神」（１１日、横浜スタジアム）

　劇弾が右中間最深部に飛び込んだ。ＤｅＮＡは八回、蝦名の同点２ランで振り出しに戻し、なおも２死。筒香は岩崎の甘く入ったスライダーをフルスイング。最大７点差を大逆転するドラマチックなアーチに、ハマスタは興奮のるつぼと化した。

　「前のイニングで（山崎）康晃が抑えて、ベンチでチームを鼓舞する姿を見て僕も思うものがありました。皆さんに打たせてもらったホームランだと思います」。前の４打席では凡退。「ひどい打席でした」と頭をかいたが、一丸でじわじわと虎を追い詰めるチームの力に、筒香がひと振りで応えてみせた。

　その放物線をネクストバッターズサークルから見届けた４番・牧も、ダメ押しソロで続いた。この日は、５番を務めていた宮崎が前夜の守備の際に打球を頭部に受けた影響で欠場。アクシデントを乗り越え、新旧の主砲が初のアベックアーチで劇勝を演出した。

　三浦監督も思わずうなずいた。「ここってところで決められる、そういうものをゴウは持っている。そこ１点で終わらずに、牧がもう１点というところでいいバッティングしてくれた」と孝行息子たちを手放しでたたえた。