ヤクルト・村上 故郷に届けた今季1号「野球ができていることに感謝」熊本地震から8年 54打席目の待望弾

 「DeNA0-9ヤクルト」(14日、横浜スタジアム)

 特別な日に、刻んだ一本だった。ヤクルト・村上宗隆内野手が拳を強く握り、二塁ベースを蹴ったところでファンの待つ左翼席に手を上げた。「常に打ちたいと思っていますけど、今日という日は今日しかない」。故郷に届けたい思いがある。運命に導かれたような待望の今季1号だった。

 2試合続けて「2番」での先発出場。初回1死で打席に向かうと、カウント3-1からの直球をフルスイングで捉えた。失速することのない白球は一直線に伸び、バックスクリーン左へ。「しっかり芯で捉えられた」と開幕から13試合、54打席と自身のキャリアの中で最も時間のかかった待望の一発を振り返った。

 16年4月14日-あれから8年の月日が流れた。当時九州学院高2年だった村上は、故郷で熊本地震を経験。「思い出すのも嫌なくらいの出来事でした」と懐古する。小学校の遠足などでも訪れ、日頃から自転車で近くを通っていた身近な場所が一変した。甚大な被害を受けた、熊本城の姿にもショックを受けた。

 「なかなか野球ができない期間もありました。それを思うと、こうやって元気に野球ができていることにすごく感謝しないといけない」

 忘れられない記憶は、今でも村上にとって原動力だ。「熊本地震だけじゃなく、いろんなところで地震もありました。被災された方にスポーツの力を届けられたらなと思います」。魅せたい姿がある。令和の三冠王が静かに走り出した。

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