楽天・今江監督がサヨナラで公式戦初勝利「興奮しすぎてわけわかんない」跳びはねて大喜び
「楽天4-3西武」(31日、楽天モバイルパーク)
勝利の瞬間、満面の笑みで飛び跳ねた。大歓声の中で選手、スタッフと交わすハイタッチ。本拠地で最高の景色が広がった。劇的なサヨナラ勝ちで初勝利をつかんだ楽天・今江敏晃監督(40)は「しんどいゲームでしたけど、最後に勝ててよかった」と喜びを語った。
采配が的中した。延長十一回、この日、1軍昇格となった辰見を代走で起用。最後は小深田の左飛で快足を飛ばしてホームイン。「いけー!って大声で叫んでました。興奮しすぎてわけわかんないです」とサヨナラの場面を振り返った。
苦しいスタートだった。開幕から投打がかみ合わず連敗。2月に沖縄での練習試合で1分け6敗と勝てなかった時期と比べても不安は桁違いだった。「(練習試合は)1回でも3回でも負けても大丈夫だったのが、(公式戦は)1回負けたら3敗分くらいの重みがあります」と話す指揮官。前夜も「あまり眠れなかった」と苦悩を明かした。
そんな状況でもグラウンド上ではいつも笑顔だった。「あまり暗くならないようには意識してます。常に僕らは見られている。応援されるような表情、行動をしたい」。そこにはチームの先頭に立つ人間としての強い自覚があった。その言葉に引っ張られるように、選手も試合前の練習から「今日はやるよ!」と前向きな声が出ていた。
一丸となってつかんだ初白星。指揮官の目には光るものもあったが「(流すのは)最後の最後の喜びに残しておきたい」と笑った。チームスローガンの“いただき”を狙う今江楽天が、大きな一歩を踏み出した。