ヤクルト-中日「2度打ち」ヒットの珍事 本来ならアウト?ファウル?高津監督抗議も認められず【解説】

 7回、審判団に抗議する高津監督(左)=撮影・西岡正
 中日と引き分け、引き揚げる高津監督(撮影・西岡正)
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 「ヤクルト-中日」(30日、神宮球場)

 ヤクルトは1点ビハインドの七回、中日・三好の打球を巡り、高津監督が抗議したが、「2度打ち」は認められなかった。

 場面は中日1点リードの七回。先頭の三好が放った打球は一塁手オスナのもとへ。不規則な回転がかかったような打球をオスナが何とか捕球したが、投手吉村は一塁ベースカバーに入らず、内野安打となった。吉村は打席の方向に視線を送り、アピールした。

 このプレーに高津監督が「2度打ち」ではないかと抗議。すぐに審判団が集まり、協議が行われた。その後、責任審判の秋村審判は場内アナウンスで「高津監督からバットに2度当たったのではないかという抗議がありましたが、確認が取れないため、インプレー。ノーアウトランナー一塁で試合を再開します」と説明した。

 審判員(塁審)より前方の打球(内野手より前方の打球)でリクエストの対象外。ただ、リプレーでは三好がスイングした後、足元近くで跳ねたボールがもう一度バットに当たっているのが映っており、CS中継の解説を務めた谷繁元信氏も「やっぱり2度打ちでしょう」と語った。一方で、谷繁氏は「(塁審は)ファウルと言ってないから、ディフェンス側のヤクルトはプレーをしないといけなかった」とも付け加えた。

 ◆公認野球規則5・09aの項目(8)では、「打者が打つか、バントしたフェアの打球に、フェア地域内でバットが再び当たった場合」は打者アウトとされている。また、同32【柱1】では「打者の所持するバットに、打球(バントを含む)がファウル地域で触れたときは(もちろん故意でなく)、ファウルボールである。また、打者が打ったり、バントしたボールが反転して、まだバッタースボックス内にいる打者の身体およびその所持するバットに触れたときも、打球がバットまたは身体と接触した位置に関係なく、ファウルボールである」と記述がある。

 この日のケースでは三好が「2度打ち」した場所はフェア地域内か、ファウル地域内かは微妙なところ。ただ、いずれにしろ審判団が「2度打ち」を確認できていた場合はファウルかアウトになっていた可能性が高く、三好にとってはラッキーな今季初安打となった。

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