阿部巨人 初陣采配ズバリ「最高です」阪神に完封星 オドーア退団騒動なんの「実力主義」で第一歩

 「巨人4-0阪神」(29日、東京ドーム)

 勝利の瞬間からインタビューまで、巨人・阿部慎之助監督(45)は笑顔を封印した。吉川から渡された記念球を左手に持ち、第一声は現役時代からおなじみのフレーズ。「最高です」と口を開き、ホッと一息つく。阿部野球の「らしさ」が凝縮された初陣星。オドーアショックも吹き飛ばすあいさつ代わりの1勝だ。

 エースの戸郷が抑え、梶谷が打って、守った。さえ渡った初戦のタクトだが、初得点に新生巨人の姿がある。先頭の吉川が右翼フェンス直撃二塁打で出塁。1死三塁と得点圏に走者を進めた。オープン戦からこだわってきたのは「得点圏に走者を進める野球」。1点を奪うための作戦だった。

 打席に佐々木。追い込まれてからの4球目、走者に「ギャンブルスタート」サインを出した。痛烈な打球が遊撃に飛んだが、吉川が頭からホームに生還。ベンチで先制点を奪い取った。「今日は、今日ですからね。この1試合に勝つためだけにやっているわけじゃないから」。最後まで白い歯は見せないが、信頼する選手の活躍に目を細めた。 開幕3日前、新助っ人のオドーアが電撃退団。2軍落ちを不服とした結果だが、岡田監督には「拍子抜けした」とイジられるなど、周囲の雑音は激しかった。だが、就任時に掲げたのは「競争」「実力主義」。方針を曲げることも、曲げる必要もなかった。オープン戦で結果を残した梶谷を3番で起用。ブレなかった結果の勝利でもあった。

 試合前、選手に熱く呼びかけた。「信頼は揺るがない。最高の1年にしよう」。始まりの1勝から、巨人軍の歴史に名を刻む戦いが幕を開ける。「最後に優勝するためにやっている。その通過点かな」。笑顔は最後にとっておく。川上哲治、藤田元司、原辰徳に次ぐ就任初年度の優勝へ。力強く、第一歩を踏み出した。

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