オリックス 4連覇へ「新しく積み上げる」 山本、山崎福の穴埋めには“新戦力”の出現がカギ
阪急時代の1975年~78年以来となる4連覇を目指すオリックスが29日、SOKKENスタジアムで約1カ月間行ってきたキャンプを打ち上げた。山本由伸(ドジャース)、山崎福也(日本ハム)が昨季稼いだ27勝の大きな穴を埋める存在が不可欠だが、中嶋聡監督(54)は「埋めるのじゃなくて、新しく積み上げるという形にしたい」と新たな戦力の台頭に期待。黄金期を形成する上で、分岐点の1年となるかもしれない。
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キャンプ初日から雨が降り、最終日も雨で終わった宮崎・清武での春季キャンプ。中嶋監督は「かなり厳しかった」と悩みはつきなかったが「楽しみが増えそうな感じですね。増えそうな、いい感じになりそうな雰囲気はあります」。確かな手応えを感じ取っていた。
ポイントは昨年まで在籍した山本、山崎福が稼いだ計27勝の穴をどう埋められるか。指揮官は言う。「埋めるというのじゃなくて、新しく積み上げるという形にしたい。積み上げていくところまで本気で来てくれるかなという感じで」。27勝以上の戦力の出現が、チームを強固にする。投手陣に求める期待は大きい。
中嶋監督が新先発4本柱として期待する宮城、山下、田嶋、東は開幕ローテ入りは決定的。残り2枠。2度の開幕投手の経験がある山岡が担うか。昨年、1年目で1軍戦先発を経験した若手の斎藤や曽谷が戦力になれば面白い。エスピノーザ、カスティーヨ、日本ハムから移籍した吉田と他にも候補はズラリといる。
エスピノーザやカスティーヨ、中継ぎのマチャドの仕上がりは「ここまで出来上がっているとは思わなかった。非常にいい調整」と想定を上回ったが、投手全体で見ると天候不良の影響から試合中止も多く、想定していた実戦機会よりは少ない状況だ。「投手陣の調整が少し遅れているのかな。遅れている分が物足りなさと言いますか…」と指揮官も不安視する部分。昨季、ブルペンの屋台骨を支えた宇田川や山崎もコンディション不良から調整が遅れている。
チームとして真の積み上げとなるのは、宇田川や山崎ら調整の遅れている投手が万全になってそろった時だと中嶋監督の構想にはある。野手に関しては、広島からFAで加入した西川や現有戦力が順調な調整を続け「しっかり仕上がっている気がします」と安心顔だ。
4連覇に挑む今季。「苦しいシーズンになると思うし、だんご状態で行くと思う。離されることなく、しがみついていきたい」。中嶋オリックスの真価が問われる1年。“新戦力”の出現が、優勝へのカギを握っている。(デイリースポーツ・関谷文哉)