NPB 来季から「打者交代30秒以内」徹底へ 米「ピッチクロック」に代わる独自時短策

 来季から試合時間短縮を目的に徹底される「打者間30秒」
 大谷の前に表示された「ピッチクロック」(共同)
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 プロ野球12球団によるオーナー会議が22日、都内のホテルで開かれ、来季から試合時間短縮を目的に「打者交代30秒以内」を徹底することを決めた。投球間の時間制限「ピッチクロック」に代わるNPB独自の時間短縮策。議長を務めた西武・後藤高志オーナーは「野球の魅力向上を目的として徹底を図り、きびきびした試合の推進に取り組む」と意図を述べた。

 阪神の38年ぶり日本一で、長いシーズンが幕を閉じた。WBCの世界一から始まった1年。野球人気の再燃が期待される中、オーナー会議では野球振興、裾野拡大を念頭に「打者交代30秒以内」の徹底を決めた。主目的は時間短縮。議長の西武・後藤オーナーが明かす。

 「プロ野球の魅力を高めていくために、どうすれば試合時間を短縮できるか。色々な分析とシミュレーションを加えた結果として、まずは打席間隔の時短を実現していこうと」

 発端は7月10日のオーナー会議。MLBで既に導入されている投球間の時間制限「ピッチクロック」について検討を始めるよう、日本野球機構(NPB)事務局、実行委員会に指示した。NPBではゲームオペレーション委員会でデータを集めて分析。結果、同機構の井原敦事務局長は「過去5年間の投球間隔は、MLBの定めている秒数をほとんどクリアしている」とし、まずは打者交代における時間短縮が妥当と判断した。

 今回の30秒以内徹底は、前打者の打席完了から次打者が打席に入るまでの時間。今季平均は36・9秒で、1試合平均の打者間は約55回。30秒を順守すれば6分19秒の短縮が見込まれる。1試合平均の試合時間が3時間7分で、同機構の井原敦事務局長は「今考えているのは3時間を切る、2時間50分~3時間が、試合時間の一つ適正な目安かな」と述べた。

 「30秒以内」は野球協約に明文化の規定はなく、10年前からある「アンリトンルール」で罰則もないが、来季は周知徹底し、順守して時間短縮を目指す。同局長は「実際に来季、やる内容はもう少し詰める」と前置きした上で、打席前のテーマ曲は10秒以内を順守、1アウトごとのボール回しの撤廃などが促進内容になりそうだ。

 委員会で継続議論中だが、今策は3ステップで計画する。まず「1」で順守を徹底し、2軍戦では30秒を計るタイマーも設置。「2」でさらに25秒に短縮する。最終的に「3」で罰則を伴う適用を検討する。ピッチクロックの導入可否については現時点で結論は出していない。MLBに倣うだけではなく、NPB独自の短縮案で魅力向上を図る。

 ◆ピッチクロック 今季から大リーグで試合時間短縮を目標に導入された。①投手がボールを受け取ってから走者がいない場合は15秒、走者がいる場合は20秒以内に投球動作に入らなければならない。違反すると1ボールとなる②打者は制限時間の残り8秒前までに打席に入って構えなければならない。違反すると1ストライクとなる。導入により今季の延長戦を除く1試合平均時間はおよそ2時間40分となり、22年より24分、21年より30分短縮された。

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