「横浜ＤｅＮＡベイスターズ４－０中日ドラゴンズ」（１日、横浜スタジアム）

　重圧を乗り越えた先に、ＤｅＮＡ・大貫が満面の笑みで両拳を突き上げた。マウンド上で女房役の伊藤と熱く抱擁。「負けられない試合で勝てたことに価値がある」。２安打無失点でプロ初完封を、９４球のマダックスで決めた。

　リベンジだった。５月２８日の中日戦では、あと１死のところで完封を逃した。九回のマウンドに上がる際に記憶がよぎったが、「強く気持ちを持ち直せた」と生かした教訓。味方の好守にも助けられ、中日打線に二塁すら踏ませなかった。

　本拠地でのＣＳ開催を目指し、任された大事なマウンドだ。「今までそういうことはなかった」と眠れなかった前夜に、人知れずプレッシャーを感じていた。日頃より２時間少ない上に、睡眠の質のデータも悪かった。それでも、今永からの「命を取られるわけじゃない」の助言を自らに言い聞かせて、平常心を取り戻した。

　大きな白星で、４日の巨人戦に望みをつないだ。勝って、ハマスタへ帰ろう。大貫が示した勝利への意志は、確かにつながった。