応援団到着できず、専大松戸の主将・大森号泣「来るまで粘ろうと」急造応援団は「胸を張ってもらいたい」
「全国高校野球選手権・3回戦、土浦日大10-6専大松戸」(16日、甲子園球場)
専大松戸の応援団が、新幹線の遅れで試合終了までに到着することができなかった。野球部関係者は、練習補助員としてユニホームを来た6人と女子マネジャー1人の部員7人とコーチ1人のみ。その他、各自で甲子園に駆けつけていた関係者約400人がそろいの緑のTシャツで一塁側アルプスに陣取ったが、応援を指揮する教員や学校関係者は誰も到着せず、ブラスバンドも不在の中、生の声援だけで応援を続けた。
新幹線は午前8時半ごろ、静岡県富士市に設置された雨量計が規制値に達し、三島-静岡間の上下線で運転を見合わせた。同校の応援団も東京駅での出発が遅れた。午後4時51分の試合開始時には、間に合わないことが判明。同7時24分の試合終了時にも到着できなかった。
試合は三回表まで6点リードしながら、逆転負け。反撃を信じたアルプス席では、選手6人が音頭を取り、チャンスでは打者の名前を呼んでメガホンを打ち鳴らした。「喉がきつい、手が痛い」と言いながらも「応援の熱は変わらない」と大声援を送り続けた部員の一人、高橋健太君(2年)らの姿に、一塁側内野席の観客からも徐々に拍手と声援が広がった。六回の好機では球場全体が拍手に包まれた。
試合後は、アルプス席前へあいさつにきたベンチ入りメンバーを前に“急造応援団”を務めた部員たちは涙。高橋君は「あきらめずにここまでやってきたことを全部出したと思う。先輩たちには胸を張ってもらいたい」と最後までエールを送った。また「先輩たちに甲子園に連れてきてもらった。僕たちはこの秋に勝って、センバツに出て夏も出て、恩返ししたい」と誓った。
一方、ベンチは試合途中に応援団が到着すると信じていた。主将の大森准弥内野手(3年)は、「来るまで粘ろうと話していた」と明かした。また「勝って次の試合に無事に来てもらって、もう一度試合を見せたかった。それがかなわず悔しい」と号泣した。
常総学院など春夏通算12度目の甲子園に臨んだ名将、持丸修一監督は「応援してくれる人に見てもらいたかった」とした上で、球場全体の後押しに「高校野球は日本の文化だなと思う。本当にありがたい」と感謝していた。




