東海大熊本星翔・百崎蒼生 甲子園の土は育ててくれた母と、天国の父へ 「少しは親孝行できたのかな」

 「全国高校野球選手権・1回戦、浜松開誠館5-2東海大熊本星翔」(10日、甲子園球場)

 真っ黒に汚れたユニホームで言い切った。「最高の仲間と甲子園でプレーできて楽しかった。一生の財産になると思います」。高校野球を終えた百崎の表情に悔いはなかった。

 5歳の時に病気で亡くなった父・大輔さんの影響で小3から野球を始めた。高校は甲子園を目指して神奈川の強豪・東海大相模の門をたたいた。しかし周囲との温度差に苦しみ、「野球は辞めるつもりでした」と2年生の5月に熊本へ帰郷。母・真由美さん(47)は「行った時と比べて明らかに表情は暗かった」と振り返る。

 野球を続けるか否か、迷う百崎をグランドに引き戻したのは新しい仲間たちだった。「本当に快く受け入れてくれた。このチームと甲子園で勝ちたいと思った」。日本高野連の規定で転校により1年間公式戦に出られなかったため、今年が仲間と戦える最初で最後の夏。それでも見事に聖地への切符を手にし、憧れの舞台に足を踏み入れた。

 勝てなかったが、ドラフト候補でもあるスラッガーは2安打3出塁と躍動した。涙ながらに集めた土を手に「これまで育ててくれた母と天国の父に見せたい。少しは親孝行できたのかな」とほほ笑んだ。支えてくれた人への感謝の思いを胸に、次のステージへ進む。

 ◆百崎蒼生(ももさき・あおい)2005年9月11日生まれ。17歳。熊本県出身。178センチ、74キロ。右投げ右打ち、遊撃手。小学3年から隈府小学校野球部で野球を始める。菊池南中時には泗水ボーイズに所属。高校は東海大相模に入学し、1年秋から試合に出場。2年の5月に東海大熊本星翔に転入。高校通算39本塁打。50メートル5秒8、遠投105メートル。

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