DeNA・平良が「10年かかりましたけど勝てて良かった」東京ドームで悲願の1勝

 「巨人3-6DeNA」(23日、東京ドーム)

 たどり着くまでに10年の歳月を要した。思い出すのはプロ初登板にライトゴロ、右肘の故障…。DeNA・平良が待ち焦がれた景色を独り占めにする。「入団した時、ここで投げること、勝つことが目標でした」。ユニホームの色は変わったが、東京ドームで1勝。苦しかった記憶が、最高の思い出に上書きされた。

 アクシデントも活力に変えた。打者2人目の打球が右肩に直撃。すぐさま治療を行い、「今日1番のボールがいった」と笑う。続投で投げられる現実が、力をくれた。味方の大量援護もあり、大胆に巨人打線と対峙(たいじ)。21年に受けたトミージョン手術後から最長の7回4安打無失点で今季3勝目を挙げた。

 13年ドラフト5位で巨人に入団。16年には東京ドームの阪神戦でプロ初先発をするも、4回途中で降板。当時のエース・メッセンジャーから右前に運んだが、右翼・福留の素早い送球に「ライトゴロ」も記録した。

 17年にはFAで移籍した山口俊の人的保証としてDeNAへ移籍。敵地となってからも先発や中継ぎでマウンドに上がり、21年3月28日には開幕ローテーションの一角として古巣と対戦。その際に右肘の異常を訴えたのも、このマウンドだった。

 この日もいきなり打撃が直撃する不運。それでも続投し、「今日はついているな」とリズムに乗った。チームを快投で導いた4連勝。「10年かかりましたけど、勝ててよかったです」。プロに入ってからの最初の目標がかなった。

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