ロッテの首位奪取は必然?投手力を前面に押し出した吉井野球 野田浩司氏の目

 「ロッテ7-3オリックス」(17日、ZOZOマリンスタジアム)

 主力野手を故障で欠きながらも強力先発投手陣で上位争いを続けるロッテが、ついにオリックスと入れ替わって首位に立った。デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は、この投手力を前面に押し出した戦いこそが“吉井野球”の真骨頂と見ている。

  ◇    ◇  

 ロッテは藤原が太ももの故障で登録を抹消され、攻撃力がさらに落ちるかと心配したが、茶谷を4番に据えた打線がうまく機能して見事に田嶋を攻略したね。

 茶谷は昨年あたりから力をつけてきているから、驚くような人選ではないですね。実際に彼は高い打率を残している。井上のような迫力はないが、投手から見ると“嫌らしい”というイメージがあって勝負強い打者。先制打を含む2安打、2打点はベンチの期待に応えるに十分な働きだった。

 とはいえ荻野や高部、山口に続いて藤原までケガで欠く打線は、やはり苦しい。外国人のポランコも先発メンバーに入っていないんだからね。

 この試合は送りバントが4回。とにかく最少得点を自慢の投手力で守り抜く。それが今のロッテの野球。吉井監督の野球ということになるのかな。

 ロッテの先発投手陣はレベルが高いと思いますよ。佐々木朗希と小島、種市、西野、メルセデスのこの5本柱は強力ですよ。

 佐々木は無双状態だし、昨年よくなった小島は球のキレが戻り、かなり復調している。トミー・ジョン手術を経験している種市は勝ち星が計算できるまでになったし、新加入のメルセデスも安定した投球を見せている。今年は益田もよさそうだしね。沢村も戦力になっている。

 ローテーションの6番目には森を起用することが多かったが、18日は“リリーフ専門”の広畑を先発させるようだね。オープナー的な意味合いが強いのかもしれないが、いずれにしろ1年間かけて、いろんなことを試していくのではないか。

 佐々木にしても、17日に登録を抹消された種市にしても、早めに休養を与えて、ムリのない状態で回していくつもりなのだろう。それが“吉井流育成方針”なのかもしれない。

 メジャー経験もある吉井監督は指導歴が抱負で、筑波大学の大学院で野球指導の研究に打ち込むなど勉強家でもある。投手の育成に関しては、独自の視点と理論で計画しているように思う。

 2年前のシーズン終盤。ロッテは投手陣がいっぱいいっぱいになって優勝争いから後退したが、優勝したオリックスには余力があった。当時コーチとしてその差を実感しただろうから、今度は最後まで持ちこたえられる投手陣を作り上げようとしているはず。

 パ・リーグの優勝争いはオリックス、ロッテ、ソフトバンクの3チームを中心に展開していくのだろうが、現時点でロッテが首位にいても決して不思議ではないと思いますよ。自慢の投手力を前面に押し出した野球。打線が整えば、もっと面白くなるけどね。

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