ロッテ・森 プロ初星!5回1/3を2失点「また必死こいて頑張りたい」
「日本ハム3-4ロッテ」(19日、エスコンフィールド)
緊張でこわばっていた顔が一気に緩んだ。育成出身6年目のロッテ・森遼大朗投手(23)が5回1/3を5安打2失点で待望のプロ初勝利。沢村が九回のピンチをしのぎ、最後のアウトを取った瞬間、白い歯をのぞかせ、ベンチを飛び出した。
心拍数が上がっても落ち着きは失わなかった。初回は無失点。だが、2-0の二回1死一、二塁から水野に右前適時打を浴びた。僅差の緊迫した展開となったが、強心臓を発揮。冷静さを欠くことなく最少失点に抑えた。
その後は「コーチ陣からどんどん攻めていけと声をかけてもらった」と、テンポよく3イニング連続で3者凡退。「緊張したけど、途中からは普段通り投げられた」。初勝利の喜びがにじみ出た。
昨季の8月7日・西武戦(ベルーナ)が転機となった。プロ初先発の機会を得たが、4回8安打7失点。プロ2度目の登板で厳しさに直面し、「このままではいけないと思い知らされた」。先輩の美馬や石川の投球を徹底的に研究。忘れられない悔しさが己を奮い立たせた。
育成2位での入団からようやくここまでたどり着いた。だが、右腕にとってはまだ始まったばかり。「やっとスタートできた。また必死こいて頑張りたい」。23歳の苦労人が新たな扉を開いた。
◆森 遼大朗(もり・りょうたろう)1999年4月22日生まれ、23歳。宮崎県出身。180センチ、87キロ。右投げ左打ち。投手。背番号62。今季推定年俸460万円。都城商から2017年度育成ドラフト2位でロッテ入団。21年オフに支配下登録。22年7月30日・オリックス戦(ZOZO)で初登板。