大阪桐蔭 センバツ連覇夢散 西谷監督の聖地最多勝記録も持ち越し「夏に向けてのスタート」

 8回、勝ち越しとなる適時二塁打を浴びぼう然とする大阪桐蔭・前田(左)
 報徳学園に敗れ引き揚げる大阪桐蔭・西谷監督(撮影・開出牧)
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 「選抜高校野球・準決勝、報徳学園7-5大阪桐蔭」(31日、甲子園球場)

 心の奥底に詰め込み続けた悔しさが大阪桐蔭ナインの表情ににじみ出る。一塁アルプスへあいさつに向かい、一礼した直後だ。西谷浩一監督(53)は涙を浮かべる選手たちを集めて円陣を組んだ。「力が足りませんでした」。まさかの逆転負け。史上初2度目の春連覇の目標は断たれた。

 「終わりじゃなく夏に向けてのスタートなので。泣いてる者もいっぱいいたので。この悔しさを忘れずに、もっともっと強いチームを作るために、もっと努力して、ここに帰ってきて優勝できるように、もう一回やろうと話しました」

 三回に5点を奪ったが、その後は得点機を逃し少しずつ流れは相手に傾いた。七回に同点とされ、八回にはエース・前田が2失点。最大5点のリードをひっくり返された。

 甲子園では同校初の5点差逆転負け。この日の先発には前田も予想されたが、南恒誠投手(3年)を起用。「前田でいこうとも考えていましたけど。南もいい準備をしていました。きょう一番いい選択をした」と西谷監督。ただ、リードを守り切れなかった。

 勝てば監督として春夏通算68勝で、智弁和歌山などで指揮を執った高嶋仁氏に並ぶ歴代1位タイだった。優勝すれば単独トップとなっていたが記録は持ち越しに。「攻撃力を付けていかないといけない」と明確となった課題。夏の頂点を狙い、大阪桐蔭ナインは前を向く。

 ◆大阪桐蔭の逆転負けの最大点差 過去、21年夏の2回戦で、近江(滋賀)に4点差から逆転負けを喫したのが最大だった。

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