作新学院・武藤 8回逆転直後に逆転されるも9回逆転弾! 23年ぶり8強一番乗り「何よりも気持ちよかった」

 9回、逆転2ランを放つ作新学院・武藤
 9回、ガッツポーズで一塁を回る作新学院・武藤(撮影・山口登)
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 「選抜高校野球・3回戦、作新学院9-8英明」(25日、甲子園球場)

 2回戦2試合、3回戦1試合が行われ、作新学院は3回戦で英明との終盤の打ち合いを制して8強に一番乗り。23年ぶりに準々決勝へ進んだ。逆転した直後の八回に4失点して再びリードを奪われたが、九回に武藤匠海内野手(3年)が逆転2ランを放った。東邦は高松商を破り、センバツ通算勝利数が中京大中京(愛知)と並ぶ歴代最多の58となった。

  ◇  ◇

 歓声と悲鳴が上がる中、高く上がった打球は左翼スタンド中段に突き刺さった。快音と同時に、右拳を突き上げた武藤。高校通算9本目はチームを救う一発になった。

 「相手もホームランを打ったので、自分も一発やり返したいと思っていた。今まで生きてきた中で何よりも気持ちよかったです」

 文句なしだった。逆転した直後に本塁打などで4失点してリードを許し、1点を追う九回。1死一塁で打席に立ち1ボールから強振した。「捉えた瞬間にボールがつぶれてバットに乗った感じがしたので、これは行ったなと」。会心の一撃に笑みがこぼれた。

 昨秋の公式戦では4番を務めた実力者。しかし、不調もあって、関東大会後から5番に降格した。それでも、「全く気持ちは変わらなくて、むしろ4番は変化球が多いので5番になってよかった」。この冬は、課題としていた変化球への対応に磨きをかけるため、毎日バットを握った。

 「1日練習の半分くらいはバッティング練習をしていた」と毎日約4時間、ひたすらティー打撃を実施。変化球に泳がされないように、右足だけに体重を乗せて黙々とバットを振った。手には複数の血豆も。その成果を示すかのように、体重を後ろに残したきれいなフォームで、大きなアーチを描いた。

 23年ぶりの8強入りは登録メンバー全18人が出場し、総力戦で勝ち取った。ただ、まだ戦いは続く。「ここまできたら優勝を狙ってやっていきたい」。どんなに苦しい戦いも、主砲がバットでチームを救う。

 ◆武藤匠海(むとう・たくみ)2005年8月3日生まれ、17歳。栃木県上三川町出身。179センチ、79キロ。右投げ右打ち。三塁手。上三川小1年から坂上学童野球クラブで野球を始め、上三川中時代は下野シニアでプレー。作新学院では1年秋からベンチ入り。50メートル走6秒0、遠投100メートル。高校通算9本塁打。

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