山梨学院・林 完投で開幕星 4大会連続1点差負けの呪縛解いた! 観客数制限なし!センバツに声出し応援戻った

 「選抜高校野球・1回戦、山梨学院3-1東北」(18日、甲子園球場)

 開会式と1回戦3試合が行われた。悪天候の影響で開始時間を1時間半遅らせて開幕。第1試合は山梨学院が3-1で東北を下し、4年ぶりの白星を挙げた。エース・林謙吾投手(3年)が5安打1失点で完投した。第2試合は高知が北陸に4-1で勝ち、沖縄尚学は4-3で大垣日大を振り切った。今大会はコロナ禍で制限されていた観客数に上限を設けず、声出し応援も認められた。記念大会として、例年より4校多い36校で争われる。

 最後の打者を二ゴロに打ち取った林は、うれしさを爆発させるかのように仲間と強く、グラブタッチした。開幕戦で5安打1失点完投と躍動し、春夏通じて4年ぶりの甲子園白星を奪取。自身にとって初の聖地も「あまり意識せず、最少失点でとにかく切り抜けようと意識して投げた」と力投した。

 終始落ち着いた投球で相手打線を封じた。初回、先頭打者を遊ゴロ失策で出塁させたが、「ランナーが出てからがいうならば自分のピッチング」と2番を空振り三振、3番を一飛に打ち取った。2死から一塁走者が盗塁死。3人で切り抜けてリズムに乗った。その後も冬に磨きをかけたキレのある直球と変化球をコースに投げ分けて、六回まで1安打投球。2-0の七回には2死一、二塁で三塁線への二塁打を許して1点を失ったが、最少失点で切り抜けた。

 名前に込められた思いを大舞台で体現した。父・永浩さん(48)は「謙虚にというのと、上杉謙信じゃないですけど、冷静に対処できる子に育ってほしいと思って、謙吾にしました」と明かす。初の全国大会となった昨秋の神宮大会では、走者を背負った際に動揺して、初戦の英明戦で逆転負け。冬を越え、走者を背負っても冷静に投げ込む息子の姿に、「レベルアップしてわが子ながら頼もしい」と目を細めた。

 エースの力投でチームは“沼”を脱出。甲子園では19年春以来4試合連続で1点差で負けていたが、その呪縛を解いた。次に目指すは春夏通じて同校初の2回戦突破だ。大きな意味のある勝利で勢いに乗り、歴史を塗り替える。

 ◆林 謙吾(はやし・けんご)2005年7月30日生まれ、17歳。東京都足立区出身。180センチ、85キロ。右投げ右打ち。投手。舎人第一小1年から舎人スポーツ少年団で野球を始め、6年時にジャイアンツジュニアに選出。駿台学園中では軟式野球部でプレーした。山梨学院では2年秋からベンチ入り。最速139キロ。50メートル走6秒6、遠投100メートル。

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