オリックス・宇田川に中嶋監督から続・愛のムチ「人の顔を見て走るなら最初からやれ」

 「オリックス春季キャンプ」(8日、宮崎)

 オリックスの宇田川優希投手(24)が8日、今キャンプ初めて実戦形式の打撃練習に登板。2被弾こそ食らったが、最速は154キロを計測し「最近だったら、一番いいです」。中嶋監督から何度も苦言を呈されてきた男が上昇気配を感じさせた。

 「真っすぐで打者と勝負するのが課題だった」と30球中21球が直球。2被弾を含む4本の安打性の打球を放たれたが、球種も宣言していたため、参考外。「打者との対戦が楽しめたので、そこが一番良かった」と完全に吹っ切れ、自信を持って腕を振っていた。

 ただ、指揮官による“24時間体制の監視”は続く。この日の投球には「本人の感覚が一番大事」と評価はしなかったが、常に動向をチェックしている。

 まず、サブグラウンドでのランメニューを確認。宇田川が指揮官を見つけてから、走り出したことに「人の顔を見て走るなら、最初からやれ」と一喝。前夜の食事会場ではトンカツに手を伸ばす姿を制し、おかわりもパスタとライスの両取りは禁止した。

 それでも、中嶋監督の言葉には愛が込められている。第1クールからの喝は、世界に送り出す“まな弟子”を思ってのこと。「出力が高いから、急に仕上げたらけがにつながる」と体を心配。WBCの日程を見据えての調整方法など、鈍感な右腕の尻をたたいている。

 食事制限も実り、体重は大台切りの99・8キロに。第4クールには紅白戦も予定されている。「その時には真っすぐ、フォークと自分の投球スタイルができるようにしなくちゃいけない」と宇田川。中嶋監督の親心を無駄にしてはいけない。

 ◆宇田川を巡る中嶋監督の発言VTR 迫力に欠けた2日の初ブルペン後、指揮官は「なんだ、その球は」と指摘。5日には「調整不足じゃないですか。はっきり言って使いものにならない」と厳しい言葉で奮起を促した。キャンプ中に体重100キロから4キロの減量指令が出され、7日の第2クール初日は「ブルペンで最悪だったら、もう知らねえからな」とプレッシャーをかけた。

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