ロッテ・ドラ4高野 左腕が遅れて出る“高野投法”で最優秀中継ぎ狙う

 デイリースポーツの番記者がピックアップした「イチ推しルーキーズ2023」。今回はロッテのドラフト4位・高野脩汰投手(24)=日本通運=を取り上げる。関大4年時のドラフト指名漏れを乗り越え、社会人を経てプロ入りした。現状、チームからはリリーフとして期待されており、左腕が遅れて出てくる独特の“高野投法”で、最強の中継ぎへと成り上がる意気込みだ。

  ◇  ◇

 悔しさが高野を突き動かす原動力となった。関大4年時の2020年、プロ志望届を提出するも指名漏れを経験。それでも抱いてきた夢への情熱は冷めなかった。日本通運で2年間の“修行”を積み、ついにプロの道を走り出した。

 「指名漏れがあって、よりプロに行きたい気持ちが強まった。社会人の2年で絶対決めないといけないなと思うきっかけになった」

 本格的にプロを視野に入れたのは、大学3年の冬。秋季リーグでは最優秀選手賞、最優秀投手賞、ベストナインの3冠に輝き、自信をつかんだ。自然と周囲からの期待も高まったが、ドラフトで名前が呼ばれることはなく「めちゃくちゃ悔しかった」と振り返る。

 ただ、それが高野にとって転機となった。大学では直球とスライダーをただ全力で投げていたというが、日本通運ではフォークを習得。コントロールも磨き「まっすぐと混ぜることによって空振りを取れる率が上がった。思い描いた投球ができるように、成長した」。プロで戦うための武器をそろえ、夢をつかんだ。

 ダイナミックな投球も大きな武器となる。体を大きく反らし上から投げ下ろす。左腕が遅れて出る独特な投法で打者のタイミングをずらし、角度のついた直球で空振りを奪うスタイルは、出雲商時代に「思いっきり投げられるフォーム」と自身で編み出したものだ。

 高校時代から極めてきた形だが、まだまだ課題はある。「今持っている3球種をもっと伸ばす。まっすぐは150キロ近い球をコンスタントに投げられるように」。他には、ツーシームやカットボール、さらに緩急を付けるためのカーブも練習中。“高野投法”で上昇気流に乗る。

 チームからは現状、即戦力リリーフとして期待されている。目標には「40試合登板」を掲げるが、それは単なる通過点だ。目指すは「最優秀中継ぎ」のタイトル。「早くから戦力になれるようにアピールしたい」。夢をつかんだ苦労人が、マリーンズの勝利をつなぐ。

 ◆高野 脩汰(たかの・しゅうた)1998年8月13日生まれ、24歳。島根県出身。左投げ左打ち。投手。183センチ、87キロ。出雲商、関大、日本通運を経て2022年度ドラフト4位でロッテ入団。関大では2年春からリーグ戦に登板し、3年秋にMVPなど3冠を獲得。独特なフォームで投げ下ろす最速149キロの直球が魅力。

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