ヤクルト 高津監督はファンの前で涙止まらず 球団初の連覇逃す「この悔しさは忘れない」
「日本シリーズ・第7戦、ヤクルト4-5オリックス」(30日、神宮球場)
ヤクルトは4連敗を喫し、球団初の2年連続日本一はならなかった。
本拠地で味わう屈辱の光景。オリックス・中嶋監督の胴上げを、ヤクルトベンチから村上、高津監督が見守った。村上は胴上げが終わるとクルッと背中を向けたが、高津監督はジッとしたままグラウンドに視線を送り続けた。
その後、チーム全員で右翼席のファンのもとへ向かうと、高津監督の目からは涙があふれた。今年はリーグ優勝でも涙を流さなかった指揮官。ファンの前でこみ上げる悔しさを抑えきれず、何度も目頭をぬぐった。その後は敵軍のベンチ前へ歩み寄り、中嶋監督と握手した。
ベンチ裏の取材では再び、涙が止まらず。「やっぱり悔しいね」と声を震わせ、「オリックスは、彼らは去年こういう気分だったのかなと。この悔しさは忘れてはいけないと思いました」と語った。
今季を振り返り、「満員の中で試合ができたことを幸せに思った」とファンへの思いに触れると、「最後、勝ってね…。勝って終わることを見せたかったが、それが叶わず…申し訳ない」と言葉にならないほど涙をこぼした。
それでも堂々のリーグ連覇で強さを見せつけた選手たちをたたえることは忘れず「思い返せば苦しいことばっかりで。でも弱音を吐かずに選手はよく頑張ってくれたと思います」とうなずいた。