前田幸長氏「伊良部秀輝が史上ナンバー1のピッチャー」亡き剛腕の思い出語る
プロ野球OBクラブチャンネルが19日、更新された。ロッテ、中日、巨人で活躍した前田幸長氏が故・伊良部秀輝氏との思い出を語った。
1988年のドラフトでロッテから1位指名を受けた前田氏にとって、1987年のロッテドラフト1位・伊良部氏は1学年上の先輩。「しゃべったら普通に面白いし、普通にしゃべるし、『悪童・伊良部』みたいな感じでロッテから出る時にすごく悪いイメージでしたけど、普通に接していけば受け入れてくれる人。変な扱い方をするとダメなんですよ。本当に友達みたいな感じでした。みんな誤解しているんですよ」と公私で世話になったという。
投手としても憧れだったといい、「僕の中では『伊良部秀輝』が史上ナンバー1のピッチャーですね」と言い切った。
野球に取り組む姿勢が素晴らしかったという。前田氏が2年目に8勝を挙げるなど早くから頭角を現すと、結果を残せていなかった伊良部氏は後輩にも質問を繰り返してきたという。
「僕の方が先に結果を出したんです。『こういうことなんじゃないですかね』とか、『ボールの出どころが分かりづらいんじゃないですかね』とかって話をしましたね」と振り返り、「投げ方に対してはかなり研究熱心でしたね。牛島(和彦)さんのフォークボールを教わったり、投球フォームでバッターからボールを見づらくするにはどうしたらいいのかって(考えて)、相当変わりましたね」と野球に対する情熱を絶賛した。
一緒に出演した中根仁氏(元近鉄、横浜)は「球も速いけど、タイミングが取れない。伊良部ってぐーっと来ていつまでたっても腕が出てこなくて、腕が出てきたらと思ったらこの辺(顔の横)に腕が来てパーンって。当たんないのよ。真っすぐが来ると思っても真っすぐを1、2、3で振りにいっても当たらない。当たらないボールだった」と対戦を思い返した。
前田氏は「自分がかなわないなと思ったのが、初めての人だったので。僕がかなわないピッチャーはいっぱいいるんですけど、伊良部秀輝が最初だったんで。今、現役で大谷見たら、かなわんと言うと思うんですけど、そんな感じ。生で見た一番のピッチャーですね」と懐かしんでいた。