ソフトバンクM11点灯 柳田豪弾 用具輸送トラブルで〝ぶっつけ本番〟も問題なし

 「楽天3-7ソフトバンク」(15日、楽天生命パーク宮城)

 ついに優勝へのマジック「11」がソフトバンクに初点灯した。ゴールテープをくっきりと視界に捉えたチームは、思わぬアクシデントにも動じない。用具の輸送トラブルで練習開始が大幅に遅れ、屋外での打撃練習はなし。ただ打線は〝ぶっつけ本番〟でもお構いなしとばかりに序盤から爆発した。

 1点リードの三回だ。今宮の適時二塁打で追加点を挙げ、なおも1死二塁。柳田が真っすぐを逆方向へはじき返す。悠然と歩き出すと、打球は左翼席に飛び込んだ。4試合ぶりの19号2ランに「ネットフリックスで動画を見てリラックスしていた」と試合前のトラブルもどこ吹く風の主砲。以降も着実に加点し楽天を圧倒した。

 西武に本拠地で3連勝し、意気揚々と仙台に乗り込んだ…はずだった。しかし肝心の野球道具が届かない。試合開始予定時刻まで2時間を切った午後4時20分ごろに到着。スリッパで試合前取材に応じた藤本監督は「いいように捉えて、何でもプラス思考」。余裕の表情にはチームへの自信が漂う。

 この日は2年前に55歳の若さで急逝した川村隆史コンディショニング担当の命日。ベンチには背番号「01」のユニホームも飾られた。「川村君が休ませてくれたのかもね」と指揮官。5連勝のチームはもう止まることはない。「優勝」の2文字がはっきりと見えた。

 ◆用具遅延 前身の南海時代に用具が届かないための試合中止を経験している。1979年7月13日の日本ハム戦(後楽園)。東名高速日本坂トンネル火災の余波で道路が渋滞し、大阪から南海の用具が届かなかったため中止となった。セ・リーグでは67年10月9日のサンケイ(現ヤクルト)-中日第1試合(横浜平和)で試合球の到着遅れで37分、2017年8月11日の広島-巨人(マツダ)でユニホーム類の到着遅れで30分、それぞれ試合開始が遅れた。

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