下関国際 戦い抜いた準優勝 指揮官「諦めないことの大切さを生徒たちから学んだ」

 「全国高校野球選手権・決勝、仙台育英8-1下関国際」(22日、甲子園球場)

 歓喜の輪を見つめる目に涙があふれ出た。3度目の出場で初の決勝進出もあと一歩及ばず準優勝。「チーム全員でここまでやってこられた。最後は監督を日本一の監督にしたかったけど、できなくて悔しい」。体は限界を超えていたが、下関国際・仲井慎内野手(3年)は一度も諦めることなく、全力で戦い抜いた。

 ここまで何度も好救援で支えてきた右腕は、五回2死一、二塁から登板。このピンチを空振り三振で切り抜け、その後も粘り強い投球を続けていたが、七回に満塁本塁打を浴びるなど致命的な5点を奪われた。準決勝・近江戦では8回2失点の好リリーフを見せたが球数は130球。休養日を挟んでも、蓄積された疲労は回復しきらなかった。

 下関国際の快進撃は今大会を大きく盛り上げた。準々決勝はセンバツ王者・大阪桐蔭、準決勝は同準V・近江を撃破しての決勝進出。就任18年目の坂原秀尚監督(45)は「諦めないことの大切さを生徒たちから学んだ」と目を赤くしながら選手らの奮闘を褒めた。

 かつては部員1人で、グラウンドには雑草が生い茂り野球どころではなかった。不祥事で大会の出場を辞退したことも。それでも指揮官は「弱者が強者に勝つ」と自身が選手だった頃からの座右の銘を胸に熱い指導を続け、山口県勢として37年ぶりとなる決勝進出へ導いた。

 1958年の柳井以来、山口県勢64年ぶり2度目の快挙は逃したが、この悔しさはスタンドにいる後輩たちのバネになる。次こそ下関国際ナインが頂点に立つ。

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