下関国際が金星!大阪桐蔭を土壇場逆転で初の4強 ミラクルプレーで流れ引き寄せた

 9回、大阪桐蔭・田井(奥)が三振に倒れゲームセット。喜びを爆発させる下関国際・仲井(撮影・高部洋祐)
 大阪桐蔭を倒し、アルプススタンドへ駆け出す下関国際ナイン
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 「全国高校野球選手権・準々決勝、下関国際5-4大阪桐蔭」(18日、甲子園球場)

 準々決勝4試合が行われ、下関国際(山口)が春夏連覇を目指した大阪桐蔭を逆転で下し、初の4強入りを果たした。夏の選手権では通算9度目となる三重殺を完成させて流れを引き寄せると、九回に賀谷勇斗内野手(3年)が逆転の中前2点打を放った。仙台育英(宮城)、近江(滋賀)、聖光学院(福島)と4強が出そろい、準決勝は1日の休養日を挟んで20日に甲子園球場で行われる。

 勝利が決まった瞬間、下関国際ナインはあふれる涙をこらえきれなかった。仲間と抱き合い、感情を爆発させた。春夏連覇を目指し、絶対王者と称された大阪桐蔭を逆転で撃破-。とてつもなく高い壁を一丸となって乗り越えた選手たちに、坂原秀尚監督(45)は「ひるむことなく立ち向かって行けた。頼もしい」と目を細める。

 流れを変えたミラクルプレーが七回に飛び出した。無死一、二塁から相手のバントで上がった小フライを2番手で登板していた仲井慎内野手(3年)ががっちり捕球。すぐさま走者が飛び出していた二塁へ送り、さらにボールは一塁へ転送され三重殺が完成。大会史上9度目のスーパープレーで、一気にピンチを脱出した。

 以降は「雰囲気が大きかった」と聖地のファンが健闘する下関国際を猛烈に後押し。ブラスバンドに合わせて手拍子が起こり、回が進むに連れて異様な雰囲気が甲子園を包んだ。その勢いに乗って九回1死二、三塁から、4番・賀谷が逆転の中前2点打。ボルテージは最高潮に達した。

 気迫を前面に出し、自己最速の147キロをたたき出すなど、王者の反撃を退けた仲井は「どんどん攻めていくつもりだった」と言う。2005年、坂原監督が赴任した当初は「部員のいないところから始まった」と言う。大切にしたのは全員野球。寮生活では全部員に同じ時間の起床、洗濯、掃除など規律を徹底させた。

 賀谷も「今3年生は29人なんですけど、何をするにしても29人にこだわってきた」と明かす。ベンチ外の部員も含め、全員が一体となった強さが、土壇場で王者を上回った。

 初の4強進出を果たし、次戦はセンバツ準Vの近江が待ち受ける。指揮官は「食らいついていく野球をしたい」-。勢いそのままに、全員野球で全国の頂点へ駆け上がる。

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