「ヤクルト３－４ＤｅＮＡ」（１２日、神宮球場）

　一つずつ、確かに目標を達成していく姿があった。ヤクルト・村上が一振りに力を込める。２試合＆２打席連発となる４１号ソロで先制に成功。「何とか先に先制点という気持ちで打席に入りました」。２年連続の１００打点に、１０３試合目で到達だ。

　両軍無得点で迎えた二回。先頭で打席へ。勝利への執念を燃やす４番が、甘く入ってきたカットボールを見逃すはずがなかった。フルスイングで捉えた打球は強風を切り裂き、バックスクリーン左の中段へ勢いよく着弾。連敗中のチームを、一振りで鼓舞した。

　昨オフに掲げた目標がある。「３割、４０本、１００打点」－。自らに課したのは、昨季を超える大きなハードルだった。それでも１１日の広島戦で４０本塁打を達成し、この日は“２打席連発”となる４１号で早くも１００打点。足元を見つめながら着実に快音を積み重ね、目標を超えている。

　４０本塁打＆１００打点の同時達成は、６３年・王貞治の２３歳５カ月を抜き、またしても最年少記録だ。「シーズンが始まる前の目標。そこは通過点かなと思うので、もっといい成績を残していきたい」。今季ワーストの７連敗で、２位・ＤｅＮＡに６ゲーム差に迫られた。うつむくな。ヤクルトには逆境を切り拓く４番がいる。