「日本ハム３－２西武」（１１日、札幌ドーム）

　今季最多の３万３７５４人のファンが劇的な勝利に酔いしれた。この日２度目のきつねダンスが披露された直後の延長十回、清水のサヨナラ打で決着。日本ハム・新庄ビッグボスは「すごくいいピッチングしてくれた」とプロ初先発の鈴木を絶賛した。

　今季、ボスの助言で下手投げに転向した右腕はプロ入りして最長イニングはわずか２回だった。三回からは「未知の領域だった」と言いつつ、主砲山川を無安打２三振に仕留めるなど、的を絞らせない投球で七回途中２失点の好投。勝利へのバトンをつないだ。

　「のらりくらり投げなさいと伝えていた。１０点はＯＫ、１１点はダメだよ」と送り出したというビッグボス。「中継ぎでいい感じにフライアウトを取っていた」と先発転向を決断。策は的中した。

　「次もきょうくらいのピッチングをしてくれたら来年は開幕投手あるんじゃないですか」と笑いが止まらない。西武に２勝１分と首位イジメを完遂。「楽しいゲームを見せられたのはむちゃくちゃうれしい」。８月に入って５勝２敗２分。今、日本ハムが面白い。