巨人・戸郷 プロ初の10勝目 2年連続9勝止まり 中田決勝弾に雄たけび「シビれました」
「中日1-2巨人」(10日、バンテリンドーム)
マウンドでは終始、引き締まった表情だった巨人・戸郷翔征投手(22)が感情を爆発させた。1-1の九回に中田が決勝弾を放つと、ベンチで雄たけびを上げた右腕。「シビれました!」。8回5安打1失点、今季チーム最多となる138球を投げきった末に、悲願の10勝目が転がり込んできた。
「長かったですね」。ついにつかんだ2桁勝利をかみしめた。一昨年から2年連続の9勝止まりで、10勝目が懸かった試合は通算8試合目だった。「3年かかったので。いろんな気持ちを持ってゲームに入りました」。思いは実を結んだ。何度もはね返されてきた壁を自らの力で破った。
7月の球宴では阪神の青柳に「2桁勝つには?」と質問した。返ってきた答えは「投げて、バッターの援護を待つだけ。あとはずっと死ぬ気で投げる」。単純明快な助言を守って、この日も粘った。1-1の八回2死満塁では木下を遊飛に仕留め、投手戦を制した。
終わってみれば、プロ入り最多の12奪三振。次世代エースの名にふさわしい投球に原監督も「良かった」とうなり、「まだまだ本人には高みを狙ってほしい」と期待をかけた。10勝への挑戦から解放された右腕の躍進はここからさらに加速していく。



