日本文理・田中 将来性ナンバーワンの大型右腕 阪神スカウト熱視線

 第104回全国高校野球選手権の地方大会がすでに始まっている。聖地を目指し、目の前の一戦に全力を注ぐ高校球児。その中には、まだ全国の舞台でベールを脱いでない逸材も。プロが注目する22年度のドラフト候補を、デイリースポーツ・アマ野球担当が投手・野手に分けて紹介。今回は投手で、日本文理(新潟)・田中晴也投手(3年)ら4人を取り上げる。

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 日本文理・田中は将来性ナンバーワンと高い評価を受けている。2年春からエースナンバーを背負い、同年夏に甲子園を経験。186センチ、92キロと阪神・筒井スカウトも「なんといっても体がある」とほれ込むほどの体格を持つ。打撃でも中軸に座って打線をけん引するなど、投打で注目されている大型右腕だ。

 今春の新潟大会準決勝・新潟明訓戦では、8安打を許しながらも粘って2失点で完投。「武器であるストレートでファウルが取れなかった」と反省したが、変化球を織り交ぜながらコースをついて10三振を奪った。終盤まで球威は衰えず、最後は自己最速タイの148キロ直球で空振り三振。NPB12球団が視察する中で、潜在能力の高さを発揮した。

 クレバーさも魅力の一つ。「攻め方だったり相手打者と1対1で戦うという部分では臨機応変に対応できる」と、序盤でテンポが悪いと感じると即座にコントロール重視に変更するなど修正力が高い。捕手とも積極的にコミュニケーションを取り、投球から流れを引き寄せられる。

 昨夏の甲子園では2回戦の敦賀気比戦で先発し、8回15安打8失点と打ち込まれた。チームは追い上げを見せたが敗退。再び聖地に戻ることを誓い、甲子園を去った。

 「高校野球は誰もが勝ちたいと思っている。簡単に勝てる試合はないというのを知っている」と田中。最後の夏、未完の大器が大輪の花を咲かせて夢のプロ入りをつかみ取る。

 ◆田中 晴也(たなか・はるや)2004年6月6日生まれ。18歳。新潟県長岡市出身。186センチ、92キロ。右投げ左打ち、投手。四郎丸小2年から赤城ベースボールクラブで野球を始め、長岡南中では軟式野球部に所属。日本文理では1年秋からベンチ入り。最速148キロ。球種は直球、カーブ、スライダー、スプリット。

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