ヤクルト・高津監督が貫く信念 究極の目標は「離脱者ゼロ」 強さ引き出し王者の力を証明

 「ソフトバンク4-7ヤクルト」(11日、ペイペイドーム)

 「日本生命セ・パ交流戦」は11日、ヤクルトがソフトバンクを下して4年ぶり2度目の優勝(最高勝率を含む)を決め、賞金3000万円を獲得した。村上宗隆内野手(22)が逆転満塁弾を含む2発6打点の大暴れで、1試合を残し全カードに勝ち越しての完全優勝となった。

  ◇  ◇

 王者の力を証明した交流戦となった。その強さを最大限に引き出しているのが、高津監督が貫き続ける信念だろう。「すごく目を光らせています。絶対にケガをさせてはいけないと」。思い切った采配で、6月は救援陣がいまだ無失点だ。

 勝てば交流戦優勝が決定する大一番。だが、指揮官はベンチメンバーから勝利の方程式の一角・清水を外した。「どのメンバーを投げさせても、しっかり期待に応えてくれる」と信頼。「3連投はさせない」の方針の下、投手起用を続ける。

 9日のオリックス戦でも清水、マクガフ抜きで1点差試合を競り勝ち、10日のソフトバンク戦はその2人で勝利。試合後には「9日の勝ちが強調される」と一丸のリリーフ陣を誇った。

 就任当時から掲げるのが「離脱者ゼロ」の目標。疲労を考慮し、主軸・山田をスタメンから外した日もある。また5日の試合前練習は、コーチ陣と相談した上で思い切ってフリーに。この日も投手陣と野手陣の球場入り時間を分けるなど、力を最大限に引き出す工夫を惜しまなかった。

 「しっかりと休養を与えて、リフレッシュもさせて、グラウンドに立たせる方法はないかと常に考えています」とは高津監督。そして「リリーフみんながMVP」とたたえた。ナインを思う指揮官の気持ちに、選手らが結果で応えたと感じた。(デイリースポーツ・松井美里)

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