「ＤｅＮＡ７－１中日」（４日、横浜スタジアム）

　鮮やかにバットを放り投げ、打球は真っ青に染まる左翼スタンドへ吸い込まれた。ＤｅＮＡ・嶺井博希捕手の２０１９年８月２４日の巨人戦（東京ド）以来、９８４日ぶりとなる一発はチームの連敗を「４」で止める大きな祝砲となった。

　両軍無得点の四回無死一塁。甘く入った変化球を振り切り、今季１号先制２ランとした。お立ち台での「狙ってましたか」の問いに「いや、そんな技術ないです」と球場を沸かせ、「いい風に乗ってくれてよかった」と自慢のハスキーボイスを弾ませた。

　８日は母の日。前祝いの一発に「ここまで野球ができるのも、母さんが丈夫に産んでくれたおかげなので感謝をしたいです」と目尻を下げた。沖縄県出身で、２月の宜野湾キャンプでは実家から差し入れが届くなど、一家でチームを支えている。

　この日は守備でも先発の大貫を好リードし、今季初勝利をアシスト。「バット投げに恥じない数字を残します」。きっと沖縄の嶺井一族は“チバリヨー”と笑顔で声援を送っているだろう。