【佐藤義則氏の眼】ロッテ・佐々木朗は単純に調子が悪かった
「オリックス3-6ロッテ」(24日、京セラドーム大阪)
ロッテの佐々木朗希投手(20)が苦しみながらも開幕3連勝でリーグトップタイの3勝目を挙げた。初回に先頭の福田に右前打を許して52打者連続アウトが止まり、17イニング連続無安打もストップ。五回は併殺の間に得点を許し、22イニング連続無失点も止まった。28イニング連続無四球もストップするなど制球にも苦しんだが、自己最速タイ164キロを計測して5回6安打2失点。記録を振り返るよりも勝利を喜んだ。
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佐々木朗もやっぱり人の子、いつもいい時ばかりじゃないということだよね。
完全投球だった過去2試合と比べて、投球フォームのバランスが悪かったね。左足にしっかりと体重が乗っていかないうちに体が回ってしまうから、ボールがばらけて、思うようにコントロールもできなかった。腕の振りだけで強い球を投げようとしていた。
重心が高く、腕も前に出ていかない分、ボールが手から離れる位置も高いので低めに投げ切れない。フォークも十分に落ちなかったり、無理に抑え込もうとして引っかかったりする球が多かった。オリックス打線も2度目の対戦ということもあってスピードにも慣れがあったと思う。空振りが少なかったし、コンパクトに振るなど対応もしてきた。
最後はアップアップの状態で5回が限界だった。疲れは特になかったと思う。まだ若いんだし、中6日で調整しているわけだから。球場も関係ない。完全試合を達成したZOZOマリンスタジアムと違って京セラドームは風の影響を受けないから、本来なら投げやすいはずなんだけど、それでもフォームのバランスが崩れていたということは、単純に調子が悪かったということだろう。
それでも悪いなりよく粘って投げたと思うし、勝ち星がついたことも良かった。しっかりと課題を修正して次回に備えてほしい。