近江・山田が気迫の170球 左足に死球受け打撲も熱投「マウンド譲るつもりなかった」

 気迫のこもった投球で浦和学院を封じる近江・山田(撮影・石井剣太郎)
 5回、左足に死球を受ける近江・山田
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 「選抜高校野球・準決勝、近江5-2浦和学院」(30日、甲子園球場)

 準決勝2試合が行われ、代替出場の近江(滋賀)がサヨナラ勝ちで滋賀県勢として初の決勝進出を決めた。エースで4番の主将・山田陽翔投手(3年)は、左足に死球を受けて足を引きずりながらも170球の熱投で4試合連続完投。同点の延長十一回に大橋大翔捕手(3年)がサヨナラ3ランを放った。大阪桐蔭は2試合連続2桁得点で快勝し、優勝した18年以来4年ぶりの決勝進出を決めた。31日の決勝は午後0時半プレーボールの予定。

 左足を引きずりながら試合終了の整列に並んだ。気迫を前面に出し、打者を打ち取っていったエース・山田。痛々しい姿が仲間を鼓舞し、結束力を高めた。11回を一人で投げ抜いて4試合連続完投。大黒柱が見せた魂の投球が、劇的サヨナラ勝利を演出した。

 「痛くないと言えばうそになるかもしれないが、エースなのでマウンドを譲るつもりはなかった」

 突然のアクシデントは五回だ。2死一、二塁で左足首付近に死球を受けた。その場に倒れ込んでもん絶。治療のため一度ベンチに戻り、六回以降は足を引きずりながらもマウンドに立ち続けた。

 それでも八回2死では、135球目にこの日最速の145キロを計測。痛みに耐えて右腕を振り続け、7安打2失点、10奪三振。近江をセンバツ初の決勝へ導いた。

 92年夏に東邦の捕手で4強入りした尊敬する父・斉さん(46)も超えた。「進学時に父の母校も考えていた。父を超すことが最大の恩返しと思っていて、場所が違えどそれができたのは良かった」と笑みを浮かべた。

 どんなことがあっても弱音は吐かない。右肘を痛めていた昨夏の甲子園は痛み止めを飲んで登板。大会が終わるまで多賀章仁監督(62)に右肘の状態について伝えなかった。ただ、その影響もあって昨秋は1度も投げられず、完治させることに専念していた。

 今回は試合後に西宮市内の病院で診察を受け、「左足関節外果部の打撲」と診断された。骨には異常がなく、決勝の登板は当日朝の様子を見て判断される。春夏通じて滋賀県勢初の優勝へ。「1週間で500球」という球数制限があるため上限は116球だが、山田は強力打線に真っ向勝負する。

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