長嶋&王の「ONコンビ」で違う四球の数 藤田平氏が当時を述懐 “動の長嶋、静の王”

 長いプロ野球の歴史で燦然と輝くONコンビの成績。チャンスにめっぽう強く、見る者を引き付ける華麗なプレーでミスタープロ野球と呼ばれた長嶋茂雄氏。そして19年連続30本塁打以上をマークし、通算868本塁打を放った王貞治氏。両者が残した数字はどの部門でもハイレベルなものだが、試合数などを勘案すると一つだけ最も離れている数字がある。

 それは四球数。王氏の「2390個」に対し、長嶋氏は「969個」と大きな差がある。伝統の一戦でしのぎを削ってきた元阪神でデイリースポーツ評論家の藤田平氏は「長嶋さんは“動物的勘”というものがあって、ストライク、打てると思ったボールが来たら打つタイプ。打つことが好きな打者」。過去に長嶋氏が敬遠に抗議してバットを逆さに持つエピソードを明かしながら、こう述懐した。

 一方で王氏は「好球必打。四球が多いのは敬遠もあるが、良い球なら打つ、悪い球なら打たないという選球眼の良さも影響している。また王さんには相手バッテリーは警戒して初球はボールから入るケースが多い」と当時を振り返る。また一般的に四球については打順も影響していると考えられ「1番とか2番とかはクリーンアップの前に走者を出したくないというバッテリーの心理もあって、初球から勝負しにくるケースが多い。自分も1番を打っていたし、今の阪神なら近本もそうだが、打順の影響もあるだろう。イチローに四球が少ない理由も、そういったところが影響している」と藤田氏は分析した。

 ただONコンビはともにクリーンアップを任されており、両者の打撃スタイルの違いが四球数の差となって表れたことが考えられる。“動の長嶋、静の王”-。タイプが違うスラッガーがどっしりと中軸に座り、巨人のV9時代を支えた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス