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松坂大輔【引退スピーチ全文】「悔しい経験をバネに僕は挑戦」23年間の誇り

 イチロー氏(右)からサプライズの花束を受け取る松坂大輔(撮影・西岡正)
 イチローから渡された花束を持ち、ファンに向かって手を振る松坂大輔(撮影・西岡正)
 セレモニーの最後に一礼する松坂大輔(撮影・西岡正)
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 “平成の怪物”と呼ばれた松坂大輔投手が4日、最終所属チームとなった西武のファン感謝イベントで、引退セレモニーに臨んだ。自身からの挨拶では、「選手の時間は無限ではありません」と後輩に語りかけ、自身の23年間も「いつでも悔しい経験の方が強く」と、思い残したこともあると振り返った。ただ、「その悔しい経験をバネに僕は挑戦してきました」と誇りに思っていると語った。以下、引退セレモニーでのスピーチ全文。

   ◇  ◇

 今日をもちまして、23年間の現役生活から引退します。

 野球と一緒で、物覚えが悪いので、紙を見ながら話してもいいですか。2006年のポスティングでアメリカに行く時に、あの時もファン感謝デーの日だったと思うんですけど、選手会長だったということもあり、最後に挨拶をする機会があったんですけど、この場に立つと忘れちゃうんですよね。なので、同じ思いはしたくないので、しっかり自分で考えた文章を、紙を見ながら話をさせていただきたいと思います。

 (以後は紙を読み上げる)

 野球を始めた時から応援していただいた方、ライオンズに入団してから応援していただいている方、けがをしてから応援していただいている方、沢山の方に支えてもらいました。本当に長い間、ありがとうございました。

 僕の現役時代の原動力は、応援していただいている方に、喜んでもらいたいと思い、頑張ってきました。ワンフォアオール、オールフォアワンという言葉がありますが、ワンフォアオール、一人は皆のために、僕はこの言葉を胸に刻み投げ続けてきました。

 僕が投げてきたことで、少しでもファンの方が喜んでくれたり、勇気やパワーを送ることができていたのなら、こんな姿になっても、まだまだ投げ続けたいと思いながらやってきて、本当によかったと思います。

 小さなころから投げること、打つことが大好きで、もっと投げたい、もっとみんなと勝ちたいと思っていた僕ですが、最後は普通に投げられなくなるまで、野球を続けてくることができて、本当に幸せでした。プロ生活の後半は故障ばかりでしたけど、僕を生んでくれ、育ててくれた両親に感謝しています。小さい時から常に僕と比較され、苦しい時期を過ごしたこともあった弟にも感謝しています。若い時から引退する時まで、僕のわがままを許してくれた妻、子供達にも感謝しています。妻のお母さん、天国で見守ってくれている妻のお父さんにも感謝しています。

 ただ、ここまで来る中で、たくさんの方に、たくさんの不満や迷惑をかけてきたことも事実です。あらためて、申し訳ありませんでした。こんな僕に投げる場所を与えてくれたライオンズ、ホークス、ドラゴンズ、レッドソックス、インディアンス、メッツ、そしていつも僕の気持ちを奮い立たせてくれたファンの皆様、感謝しています。ありがとうございました。

 そしてこれからもプレーしていく選手の皆さんへ。誰でも、いつか辞める日が来ます。選手の時間は無限ではありません。悔いの残らないように、日々を過ごしてください。引退試合の時にも言いましたが、トレーニング、体のメンテナンスには、十分、お金をかけてあげてください。それが、いつか自分にいい結果として帰って来るはずです。もしそれが結果に結びつかなかったとしても、一生懸命に考え、実践したことは無駄にはなりません。

 23年間やってきた中で、たくさんのうれしい経験、悔しい経験をしてきましたが、いつでも悔しい経験の方が強く残っています。その悔しい経験をバネに僕は挑戦してきました。そこは自分が自信を持って誇り…誇れる部分だと思っています。今の結果に満足している選手は、誰一人としていないと思いますが、その時その時のうれしい経験、悔しい経験をたくさん積み重ねて、信念を持って、上を目指していってほしいと思います。

 その経験、思いをこれからの世代に紡いでいくことができれば、またライオンズの黄金時代がやってくるのではないかと思っています。

 これからは一人の野球ファンとして、埼玉西武ライオンズの明るい未来を楽しみにしています。

 最後に。改めて、23年間…長い間、支えていただき、前に進むために、背中を押していただき、本当にありがとうございました。

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