オリックス・中嶋監督はなぜ紅林を正遊撃手に抜てきしたか “舞洲の壁”頭に

 25年ぶりの日本シリーズ進出を決めたオリックス。CSファイナルSでは紅林弘太郎内野手(19)が美技を連発した。成長著しい2年目だが、新人だった昨季は2軍で1本塁打。なぜ、中嶋聡監督(52)は名手・安達を二塁にコンバートしてまで遊撃手のレギュラーに抜てきしたのか。その謎に迫った。

  ◇  ◇

 紅林はCSファイナルSで9打数無安打と結果を残せなかったが、守備では美技を連発。突破に大きく貢献した。

 すっかり正遊撃手に定着した2年目。実は昨季は2軍で86試合に出場し、打率・220、1本塁打、20打点と目立った成績は残していない。にもかかわらず中嶋監督はレギュラーに抜てきした。そこには数字で計れないポテンシャルを見抜く目があった。

 2軍の本拠地オセアンBSは中堅122メートル、両翼100メートルと標準的なサイズ。ただ、大阪湾から近いため外野方向から常に強風が吹く。本塁打と思った飛球がフェンス手前でまるで“壁”に当たったように失速。打者は“舞洲の壁”に泣かされる。

 2019年から20年途中まで2軍監督を務めた指揮官は2軍にいる選手を見るとき、“舞洲の壁”を頭に入れるという。

 「どう思っていいと判断するのか。数字的にいったらよくないですけど、(オセアンBSは)いい当たりを打っても捕られる。本塁打性の当たりが入らなかったりする。ちゃんと見てあげないと」

 紅林は記録としては1本塁打。だが、ほかの球場なら入っていた当たりが何本もあった。守備も驚異の守備範囲と正確なスローイングを何度も見せた。十分に1軍のレギュラーを張れると判断した。だから迷うことなく抜てきできた。

 終わってみれば球団初の10代2桁本塁打。1年間、見事に遊撃を守り抜いた。その目に狂いはなかった。

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