ヤクルト5連勝今季初奪首 代打・中村九回千金打! 高津監督「今後も全力で戦うだけ」

 「DeNA1-2ヤクルト」(22日、横浜スタジアム)

 5連勝へ導いた先にあったのは、今季初めて見る首位の景色だ。接戦を勝ち切り、横浜の夜空にいくつもの傘が舞う。それでも代打で殊勲打を放ったヤクルト・中村悠平捕手は足元を見つめた。「目の前の一戦を戦い抜いて、優勝にたどり着きたい」。白い歯をこぼすのは、まだ先だ。

 その一打に、全集中を研ぎ澄ませた。一人だけではない、全員でつないだ1-1の九回2死一、三塁。山崎が投じた2球目の直球を振り抜いた打球は中前への決勝適時打。走りながら何度も何度も拳を握った。

 2020年7月以来の首位で、後半戦に限れば優勝した15年以来。勢いづくチームを見つめながらも、高津監督は「今初めて(首位と)聞いた。今後も全力で戦うだけ」と表情を引き締めた。快進撃の裏には、浸透する高津イズムがある。

 「みんなで助け合い、誰かの失敗は次の人がカバーしよう」

 先発・小川が6四球と苦しみながらも7回1失点に抑え、直前には清水も気迫でピンチを脱した。さらに九回、1死一、二塁から代打・山田が遊ゴロを放つも、全力疾走で併殺を阻止。勝ちがなくなるところだったがリクエストで判定が覆り、一塁に残った。その懸命な姿をネクストサークルで見た中村が「何とかしたいなという、その一心でしたね」と強い気持ちへ変えた。

 残りは30試合。6年前の優勝を知る中村は言う。「監督の思いを、捕手の僕が体現しないといけない」。新たな挑戦への道を、新しい仲間達と突き進む。

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