「ＤｅＮＡ８－１阪神」（１２日、横浜スタジアム）

　虎の勢いを止めるのはこの男のバットしかない。ＤｅＮＡ・オースティンが今季初となる１試合２本塁打を放つなど、３安打５打点と大暴れ。自力ＣＳの可能性も復活した。

　１点リードの三回２死三塁。「三振しないように」と振り抜いた打球はバックスクリーン左へ。２４号２ランを放った。極めつけは七回無死一、二塁だ。「素晴らしい感触だった」と自画自賛の打球は５月１日・ヤクルト戦（横浜）以来となる電光掲示板に直撃する、２５号３ランとなった。

　今季の阪神戦は打率・３８３、８本塁打、１８打点とカード別でいずれも最高成績。敗れれば８年連続となる対阪神負け越しという屈辱的な記録を前に、最強助っ人が完膚なきまでに打ちのめした。

　多くの子供たちが応援に駆けつけた日曜日。オースティンはお立ち台で「練習を一生懸命続けること。決して諦めないこと。父親、母親の言うことを聞くこと」と未来を背負う子供たちに向け、豪快な一発を打てる秘訣（ひけつ）を説いた。今日の２発は子供たちにとって忘れられないものとなったに違いない。