ロッテ・小窪 移籍後初昇格即アーチ 36歳再出発の号砲「とにかく必死でした」
「オリックス2-2ロッテ」(9日、ほっともっと神戸)
マリーンズファンへの名刺代わりの一発が、価値ある引き分けへの序章となった。NPBに復帰したロッテ・小窪が移籍後初昇格即初スタメン出場を果たし、移籍初安打となる初アーチを放った。
2打席凡退後の第3打席は七回先頭で来た。「修正してとか、そんなことを言ってる場合じゃないので、とにかく必死でした。手応えはありましたね」。前2打席までは独立リーグ時代に体感したことのない直球に驚いたが、そこは経験豊富なベテラン。きっちり適応し149キロを左翼席へ。六回までほぼ完璧に抑え込まれていた田嶋から値千金弾だ。
広島時代、選手会長としてリーグVまで経験したが、再びNPBの舞台に戻れたことに感謝しながらプレーする。入団決定後は広島時代の仲間らから祝福を受け、鈴木誠からも「おめでとうございます」と連絡をもらった。「残り試合でなんとか貢献したい」。ロッテでもう一花咲かせると意気込む。
九回には同じ奈良出身の同学年で、小学生時代から対戦経験のあった荻野が同点弾を放った。小窪は「(荻野と)一緒にチームで試合に出られて感慨深いものがある」と目を潤ませた。首位攻防3連戦は1勝1敗1分けで首位キープ。推定年俸500万円で再出発した36歳がリーグVへの大きな戦力として加わった。