ヤクルト・奥川が初聖地星 虎打線に二塁踏ませず、7回2安打0封

 「阪神0-12ヤクルト」(7日、甲子園球場)

 人一倍の重圧と戦い続けたヤクルト・奥川に、最高の景色が待っていた。圧巻の7回2安打無失点で6勝目。「高校時代に何度も試合をした球場。雰囲気が好きですね」。星稜で4季連続出場した見慣れた聖地で、まずは恩返しの1勝。プロとして甲子園で初めて勝った。

 成長した姿で帰ってきた。首位の阪神打線に、二塁すら踏ませなかった。許した安打は二回糸原の中前打、六回梅野の右前打のみ。味方の大量援護にも恵まれ、ストライク先行でテンポよく打ち取っていった。

 星稜での3年間が原点だ。恩師・林和成監督(46)は来年3月末で退任する。奥川は「のびのびと野球をやらせてもらったおかげで、今がある」と感謝し、心に響いた言葉を今も大切にしている。

 「星稜に来てよかったな。石川県の中にライバルがいることは、それだけ成長できる」

 転機となった1年秋。北信越大会で日本航空石川に打ち込まれ、敗れた。悔しい経験は糧となり、力に変わる。現在戦っているのは、結果が伴う厳しいプロの世界。だからこそ林監督の教えは、今も変わらず奥川の中で生き続けている。

 聖地のカクテル光線に照らされて、奥川がようやく笑った。「2カード負け越していて、なんとかここで上の2チームにくっついていかないといけないところだった」。優勝争いからの離脱は許されない。チームを勇気づけた83球。確かな足跡を、聖地に刻んだ。

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