「全国高校野球選手権・１回戦、明徳３－２県岐阜商」（１５日、甲子園球場）

　名将の采配がキラリと光った。６回、１点を先制され、なお無死三塁で先発のエース代木大和投手（３年）を交代。「先頭への死球で代えようかなと思った。遅れたと思ったが」。結局、リリーフした吉村優聖歩投手（２年）が後続を断ち、接戦に持ち込んだことがサヨナラ劇につながった。

　９回の采配も迷いなし。１死から四球で出ると「バントではどこにも負けない」と手堅く送って２死二塁。すると３番・森松幸亮外野手（３年）には「ここまで何しにきたんや。気持ちで食らいついていけ」とゲキを飛ばし、森松が期待に応え、中越え打を放った。「バントで送ったとき、自分が決めると思った」と森松。県岐阜商・鍛治療舎巧監督との名将対決を制した馬淵監督は甲子園通算勝利を歴代４位の５２勝とした。