祇園北 初の決勝進出!山本、投打で活躍5回0封&決勝タイムリー 広島新庄と決勝へ

 「高校野球広島大会・準決勝、祇園北4-2呉」(30日、しまなみ球場)

 広島大会では準決勝2試合が行われ、祇園北が呉を4-2で下し、初の決勝進出を決めた。五回から救援した背番号1の山本優貴投手(3年)が5回無失点。バットでも六回に決勝タイムリーを放った。8月1日の決勝では春夏通じて初の甲子園出場を懸けて、春夏連続出場を目指す広島新庄と対戦する。

 ノーシードの公立校の快進撃が止まらない。祇園北が2度のセンバツ出場経験のある呉に競り勝ち、創部39年目にして初の決勝に進出。悲願の甲子園出場に王手をかけた。

 決勝進出の立役者となったのが五回から救援した右腕の山本。5イニングを被安打2の無失点に抑え、六回1死三塁の好機には右前に勝ち越し打。「素直にうれしい。楽しんでプレーした結果です」と、打って投げての大活躍に胸を張った。

 救援専門の山本。それでもエースナンバーをつけているのは「明るい性格でチームに一番いい影響を与えてくれるから」と藤本伸也監督(36)。大会前には野球部内で「サウナ部」を結成。試合のあった夜は篠原凡副部長に連れられて各地のサウナに足を運び、疲労回復に努めている。

 選手全員が大学進学を希望し、文武両道を掲げる祇園北。グラウンドは他のクラブとの共有で、平日の練習時間は1時間半から2時間と限られている。昨秋は1回戦、今春は地区大会で敗退していたが、部のモットーでもある「明るく素直で向上心を持って」練習に取り組んできた。

 今大会は2回戦で春8強の山陽を延長十一回、13-11で撃破。「これが大きかった。自分たちの力を出し切って勝てたことで自信がついて、伸び伸びとプレーできるようになった」。指揮官も目を見張るほど選手はたくましさを増した。

 決勝の相手は昨秋から県内無敗の広島新庄。「胸を借りるつもりでやりたい。今までと変わらず楽しんでやるだけです」と臼井友乃祐主将(3年)。あこがれの夢舞台は手の届くところにある。

 ◆祇園北 1983年創立の県立校。野球部も同年創部。所在地は広島市安佐南区祇園。普通科と普通科理数コースがあり、広島県進学指導重点校のひとつ。主な出身者はお笑いコンビ「アンガールズ」の山根良顕、女優の綾瀬はるか(2年時に転校)、ロンドン五輪女子ハードル日本代表の木村文子ら。

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