大阪桐蔭・松浦 セットポジションから築いた凡打の山「1番の恥」センバツ敗戦から成長

 「高校野球大阪大会・5回戦、大阪桐蔭8-1近大付」(28日、大阪シティ信用金庫スタジアム)

 エースの覚悟がにじみ出た。

 今春のセンバツ以来の先発マウンドに上がった大阪桐蔭のドラフト候補の最速150キロ左腕・松浦慶斗投手(3年)。6回3安打1失点に抑え貫禄の投球を見せたが、奪った三振は4つ。築いた14個の凡打に成長の証しが記された。

 西谷浩一監督に「セットの方がいい球がいっている」と助言を受け、5月にワインドアップからセットポジションに変更した。この日は豪快に足を上げて投げたかと思えば、一転無走者時でもクイック気味に足を上げて投じるなど、打者のタイミングをずらして凡打の山を築いた。松浦は「足の上げ方を変えることによって、同じ球種でも2種類になり、打者のタイミングを外せる」と意図を説明した。

 初回はクイックを使わず直球主体の投球。その直球を張られて連打を浴び、先制点を許した。三回途中からクイック投法を頻繁に交えた。以降は四球は出したものの被安打は0。四回2死では、クイックで簡単に追い込むと、最後は足を上げて力強い直球を投じ、ピクリとも反応させず見逃し三振。新フォームの効果が見えた。

 テンポのいい投球が打線にも火をつけ、7回コールド勝ちを手繰り寄せた。松浦は「守りから流れを持ってこられた」と攻撃につながる投球に手応えを口にした。

 「本当はワインドアップで投げたい」。投手・松浦の本心はそう語る。それでも「勝てる投手がエースなので」と投手の本能を抑え、セットポジションで投じることが勝利への貪欲さを物語る。

 春のセンバツ初戦の智弁学園戦では、先発したが制球が定まらず4回4失点。「生まれて1番の恥だった」と野球人生最大の挫折を味わった。

 チームに勝利をもたらす投球こそが、名門の背番号1を付ける投手の宿命。エースの覚悟を背負った松浦がチームを日本一に導く。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス