昌平・吉野 高校通算56号&逆転サヨナラ呼ん打「追い込まれるほど楽しめるタイプ」

 「高校野球埼玉大会・5回戦、昌平8-7武南」(22日、レジデンシャルスタジアム大宮)

 プロ注目の昌平・吉野創士外野手(3年)が、高校通算56号を放つなど2安打2打点でチームをベスト8に導いた。

 まずは初回1死二塁だ。「絞っていた」と甘く入った変化球を捉え、今夏初アーチとなる先制の2ラン。表情を変えずにダイヤモンドを一周した吉野は「終わってなかったので冷静に」と説明した。

 試合は点の取り合いになり、6-7と1点ビハインドの九回だった。イニング前、黒沢監督が選手に「ここまで来たら形より気持ち。心は熱く、頭は冷静に」と言葉をかけていた中、先頭で打席に向かった吉野は胸に手を当て、落ち着いてバットを構えた。

 「追い込まれたら追い込まれるほど、楽しめるタイプ」と、期待に応えて二塁打を放つと、何度も拳をベンチに向けた。その後三塁に進むと、川田のスクイズで「足と気迫に任せました」と人生初のヘッドスライディングで同点の生還だ。

 最後は大園の本盗で劇的なサヨナラ勝利。吉野は「この試合を忘れずにこの先もやっていきたい」。埼玉の夏を制すまであと少しだ。

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