明徳義塾が決勝進出 吉村9回99球初完封星 横手投げの直球と変化球で相手幻惑
「春季高校野球四国大会・準決勝、明徳義塾3-0新田」(25日、レクザムボールパーク丸亀)
準決勝2試合が行われ、明徳義塾(高知)と高知が決勝進出を果たした。明徳義塾は吉村優聖歩投手(2年)が公式戦初完封勝利。高知は最速152キロのエース・森木大智投手(3年)が好投した。両校は来月1日に香川で行われる決勝で春の四国の頂点をかけて激突する。
9回を99球。9三振を奪う快投でスコアボードにゼロを並べ続けた吉村。五回から「楽に投げられていた」と、完投を意識しだしたという。「なんて言えばいいのかわからないですけど、うれしいです」。公式戦初完封の感想を問われると、照れ笑いを浮かべた。
約2カ月前に転向したという横手投げ。130キロ前後の直球と、肩口から大きく曲がるスラーブを中心とした変化球とのコンビネーションで相手を幻惑。「テンポ良く投げたら守備もいいプレーができる」と意識して投げ続けた。
公式戦初登板となった11日の高知県予選順位決定戦では9回2/31失点。エース左腕・代木大和投手(3年)に続く戦力として評価を急上昇させている。馬淵史郎監督(65)も「抑えるとは思っていた。横手が成功する秘けつは柔らかさ。あいつは柔らかいからベース上でボールが生きている」と、この日の投球に高評価を与えた。
投手陣の層の厚みは増し、チーム力はさらに上がった。一方で打線は五回1死まで無安打に抑えられるなど、課題は残った。春の四国制覇まであとひとつ。勝利だけを目指す。