東海大相模・石田 5戦29回1/3オール無失点V チーム10年ぶり3度目の頂点

 「選抜高校野球・決勝、東海大相模3-2明豊」(1日、甲子園球場)

 決勝戦が行われ、東海大相模(神奈川)が劇的サヨナラで10年ぶり3度目の優勝を果たした。六回2死一、二塁で登板した石田隼都投手(3年)は、3回1/3を2安打無失点と好救援。全5試合登板で29回1/3を投げ、無失点の優勝投手となった。20イニング以上投げた投手の無失点はデータの残る1970年以降これまでいなかったが、石田が初の快挙を成し遂げた。

 優勝が決まった瞬間、石田は笑顔でナインの輪に加わった。6年前、11歳の夏。甲子園で優勝を導いた小笠原(中日)に憧れ、東海大相模に入学を決めた。ヒーローの背中に一歩、近づく快挙での栄冠だ。出番は六回、2死一、二塁。門馬監督に迷いはなかった。

 「最後は石田と決めて、今日は甲子園球場に来ました」。石川-求とつなぎ、託されたバトン。このピンチを遊直で切り抜けると、七回以降は2安打に抑える完璧な投球。準々決勝、準決勝は2試合連続の完封。「疲れはあった」と振り返るが、持ち前の強気な投球で相手打線を封じた。

 過去、20イニング以上投げた投手の無失点は、データの残る1970年以降0人。石田が初の快挙となった。幼少期、父・英生さん(45)は右投げのグラブをプレゼントした。家族は全員、右利き。だが、石田は球を捕るとグラブを外し、左で投げ返した。“ミスター0”の第1球だった。

 父と2人で入るお風呂では、左指のマッサージが日課だった。今大会の与四球は2。抜群の制球力は親子の絆でもある。「スタミナだったり、足りないところはある。もっといい投手になって、また夏に戻ってきたいです」と石田。春夏連覇の挑戦権を得た。さらなる成長を誓い、聖地としばしの別れを告げた。

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