楽天・早川隆久が球団史上初の開幕カード新人先発勝利「支えてくれた人に感謝」
「楽天5-0日本ハム」(28日、楽天生命パーク宮城)
楽天のドラフト1位・早川隆久投手(22)=早大=が、球団史上初の開幕カード新人初先発初勝利を飾った。6回4安打無失点。毎回となる8奪三振で104球を投げ抜き、球団史にその名を刻んだ。
「この日をやっと迎えられて、自分らしいピッチングができたのもいろんな人の支えがあったからだと思うので、自分を支えてくれた人に感謝したいと思います」。プロ初のお立ち台で思いを述べた。ウインニングボールを手に、「家族に渡したいなと思います。ここまで来るのにも苦しいことや辛いことがあってもめげずに支えてくれた家族がいてここまでこられた」と話した。
4球団競合の真価を見せたのは四回だ。失策と2本の単打で無死満塁のピンチを招いた。ここで前日のヒーロー・野村に対し、徹底して低めの球で攻め、最後は内角に沈むカットボールで空振り三振。続く大田も外角のチェンジアップで空振り三振。樋口を三ゴロに打ち取った。無失点で切り抜けると、飛び跳ねながら派手にガッツポーズ。普段は感情をあまり表に出さない左腕が気持ちをあらわにした。
さらに六回にも2本の安打と四球で1死満塁のピンチ。ここでも左腕は動じない。樋口を高めのチェンジアップで併殺打に打ち取り、グラブを叩きながら、笑顔を見せた。2度の満塁のピンチをともに無失点でしのぎ、強心臓ぶりをのぞかせた。
「投げやすくてファンからの声援がマウンドに届いた結果が満塁でも抑えられたと思います。割り切って1点2点取られてもいいからとりあえず腕を振っていこうと思った」と振り返った。
打線は無死満塁を切り抜けた直後の四回、長短打と四球で1死満塁とし、敵失と太田の中前2点適時打、辰己の適時二塁打で計4点を奪いルーキーを援護した。早川は「野球は流れのスポーツだと思っているので悪い流れのあとにピンチが来ると心構えていて、抑えた結果が点数に繋がったと思います」と言う。九回にも太田が右越えソロを放ち、リリーフ陣も無失点投球。早川の勝利と、開幕カード勝ち越しを確定させた。
楽天の新人投手の初登板初勝利は2015年・安楽まで5人。最速は11年・塩見のチーム19試合目で、開幕カードで記録した新人はいなかった。
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◆早川 隆久(はやかわ・たかひさ)1998年7月6日生まれ、22歳。千葉県出身。180センチ、76キロ。左投げ左打ち。投手。背番号21。今季推定年俸1600万円。木更津総合では2年春、3年春夏と甲子園に出場。早大では1年春からリーグ戦に登板。4年秋には6勝0敗でリーグVに貢献するなど通算14勝を挙げた。2020年度ドラフトでは楽天、ヤクルト、西武、ロッテの1位指名を受け楽天に入団した。





